2007.03.28 23:20
朝7時、辺りは深い霧に包まれて濡れていた。
自分だけが浮遊して白い空間を流されている気分。
鴬がさかんに鳴いて、まるで桃源郷への細路を辿る
樵のような陶然とした心地だ。
今朝は母の通院の日。マイカー出勤の車の群れに遭遇。
遅刻しそうであせり、桃源郷の気分もどこへやら。
「これ何?」
「前に作ったんよ、帯の古きれやったかな…」
「桜のころやからな…」
「これもかいな… イソギンチャク見たいやけど…(笑)」
「…」「決め込み人形習う前にな、習うていたんや」
母は多くの趣味をチョットだけ齧るのだ。
深入りしない。ただ踊りだけは続いている。
よほど好きなんだろうな。
八十過ぎて藤娘やったんだったものな…(汗)
その昔からの元気さが戻ってきたようでうれしい。
検査値もみな正常値だ。範囲内に収まった。
脚が腫れ気味だが腎臓は正常に機能してる。
クレアチニンが普通値だ。有り難いことだ。
(頭髪も少し伸びて本人はとっても嬉しいのだ)
母を残して八尾へ走った。
朝の霧の光景を思い出して、帰宅の路は
久しぶりに生駒山を越えることにしようときめた。
道から桜やエニシダやゆきやなぎが見られるだろう。
お目当ては、辛夷と白木蓮だ。
思い通りいっぱい花が見られた。
母のこと、花咲く山道。光は輝かなくても
偏在するものだ。今日は身の内が感謝と言う光に
充たされた一日だった。
ありがとう、ありがとう。
そう黙語しながら走り続けた。
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