2006.11.02 23:20
街なかを風が渉る
昼の月は影が薄くて
遠くに霞んで
ビルの間を人間が
凝集して動いている
空だけが静か
こんな日は
はたはたはた
はたはたはたと
こころが靡く音がする
埃っぽい風が渉る
先はもう見えない
スクランブル交差点で
すれ違う顔の どれひとつ
ほほえんでいはしない
思い出せない何かを探して
見あげる空
そこだけが深い青さだ
立ち止まってみていると
なぜか湧き上がって
切なく想い出が群れる
肩先を暖めている
傾き始めた陽射し
雲はここを発って
入り乱れながら
どこへゆくのだ
ぼくを残して
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