友人のBlogからの引用ですが…
アメリカでの報道の様子が垣間見えます。
人間同士の連帯はこのようにして生まれ育つということを…
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冷泉彰彦(れいぜい・あきひこ)氏の報告を紹介します。
サイトのアドレスだけにしようとしたのですが、まだサイトには掲載されてないので、コピーしました。
紹介なので、コメントは要りません。
「アメリカは週明けの月曜日を迎えました。これまでの各局も「ぶっ通し」の報道体制でしたが、各テレビ局のエース級のキャスターが日本に入り、現地からの報道を開始したために報道の視点がグッと近くなり、「人ごとではないが外国の惨事」というトーンから「現在進行形の<私たちの悲劇>」というニュアンスに変わっています。
一言で言えば、様々な意味で感情的になってきているように思います。
NBCは朝の『トゥディ』というニュース番組のメイン・キャスターの一人、アン・カリーをはじめとして4名以上の記者が入っていますが、中でもアン・カリーは甚大な津波被害を受けた南三陸町から生中継を行い、被害の状況を詳しく伝えていました。彼女は、海軍軍人のお父様に帯同して幼少期を佐世保で育っており、お母様が日本人の日系二世ですが、日本語でコミュニケーションしながら、それを極めて的確な表現で伝えていました。
それはNBCの『ナイトリー・ニュース』という夕方のニュースでしたが、キャスターのブライアン・ウィリアムスが「これだけの被害に見舞われても日本人が冷静だというのは驚き(サプライズ)ですよね」と呼びかけると、カリーは「私は日本で育ったので驚きません。でも、今回は、インタビューすると多くの人が微笑みながら応対してくれながら、目には涙を浮かべているんです。これは私には初めての経験です」
と述べていました。その後のウィリアムスの表情は崩れそうでした。
カリーが南三陸町に取材に入ったのは、キャノン・パーディさんという行方不明の米国人を探すためでした。彼女はALTとしてこの地の中学校で英語を教えており、任期を終わって一旦帰国したものの、教え子達の卒業式に是非参列したいと日本に戻って、南三陸に着いたその日に津波に襲われていたのです。通信手段のないまま、アメリカの家族は消息が確認できずにいたのですが、カリーはツイッターを駆使して彼女を避難所で探し出したのでした。番組の中では、衛星回線を使ってアメリカの家族と無事を喜び合うパーディさんのドラマが紹介されていました。
実はこうしたALTの被災者というのは何人もあるようで、各局が避難所などで取材をしていますが、「自分は一緒に被災した人たちの支援をしたい」と言うアメリカ人も多いようで、それに対して「本当は帰ってきて欲しいけど、きっとそう言うだろうと思っていました」という留守家族の声なども紹介されています。
CNNは人気キャスターのアンダーソン・クーパー、医療評論家で全米で最も有名な脳外科医であるサンディ・グプタ、そして社会派の記者ソリダート・オブライエンが主として宮城県から福島県を精力的に取材しています。クーパーも「大地震、大津波、原発事故と三重の大災害に見舞われながら、これだけ礼節が保たれ平静だというのは驚嘆するしかないです」と述べ、特に「非常用給水に長蛇の列を作っていた人達が途中で水が無くなってしまって、今回はダメだとなった時にももらえなかった人が誰も叫んだり暴れたりしなかった」シーンは衝撃だったと言っていました。
募金活動も力が入ってきています。14日の晩のCNNにはアメリカ赤十字のゲイル・マクガワンCEOが小野洋子氏(ジョン・レノン夫人のヨーコ・オノ)と一緒に出演して、日本向けの募金を募っていました。小野洋子氏は「私は日本で戦災にあって、東京が焼け野原になったのを経験していますが、日本人は何もかもを失っても団結して苦難を乗り越える人々だと思います。でも、そのためには支援も必要です」と訴えていました。
こうした報道の結果、アメリカ人は、ある意味で、日本人の喪失感や苦闘を自分のことのように経験しようとし、経験しつつあるのですが、そうした感情的なリアクションは別の形でも出ています。それは原発問題に関する議論です。一言で言えば「これだけ用意周到でテクノロジーの進んだ日本でも問題が起きるのだから」という理屈で、「アメリカの原発も総見直しが必要」というエモーションがじわじわと増大しているのです。
NBCのブライアン・ウィリアムスによれば日本は「ハイパー・プリペアード・カントリー」つまり「超用意周到な国」であるという表現を使い、今回の福島第一原子力発電所の事故に関しても極めて同情的でした。これほどの惨事にも関わらず、情報の錯綜に関する批判はあっても、事故を起こしたことへの批判はほとんどありません。そうした認識が、逆に「日本でもこうなったのだから」原発一般が心配だというムードになっているのです。アメリカの月曜日は、日本への同情、賞賛、そして原発一般への不安感という「感情論」に覆われていたと言えるでしょう。」
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