巻四 和銅二年八月
辛亥。車駕幸平城宮。免從駕京畿兵衛戸雜徭。
巻の四 和銅二年(709年)八月廿八日 辛亥(かのと い、しんがい)
車駕、平城宮に幸す。駕に從える京畿の兵衛は(その)戸の雜徭を免ず。
阿閉皇女が即位してなった元明天皇の行動記録である。
車駕は天皇のことを指している。
行幸するときはこういう表現になる。
乗り物を指すのではなく乗っている天皇を指す。
したがってこれは「天皇平城宮に幸す」という意味だ。
新京の平城宮はまさに建設の最中にある。
前年岡田離宮や春日離宮に行幸した際も物の下賜と免除を行っている。
行幸に従うため近畿の各地から動員された兵衛たちに戸ごとの雑徭を免除したのである。
平城宮の建設に関わる負担は大きかった。
それでも新京は着々と建設されていく。
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