2007年5月25日金曜日

今年もはや6月10日が近づいてきた 9条の会の日だ

主権者の国民が、国の形を決め、政治を行う国家と為政者に、
守らせるべき政治の基本を定めるのが憲法だ。

国民に政府が守れと押し付ける条文ではない。
だから就任する首相は憲法遵守を誓うが、
あれは憲法に向かって誓約しているが、
本質は国民にむかってしている誓約だ。

国民の中からは9条を変えよという声は上がってこない。
自民党は結党以来憲法を変えると掲げてきた。
眼目は9条の骨抜き、除去にあった。


皮肉なことだが、今の急流のような改憲の動きは
しかし外来のものだ。
「ブッシュの百年戦争」ぼくは勝手にそう名づけたが
アメリカの先制攻撃型世界戦略の補完部隊として
日本から戦場で血を流す若者を供給
して欲しいのだ。
アーミテージはあからさまな男だから、
遠まわしでもそうはっきり示唆している。

憲法に手を付けるのは「愛国主義」から、とは限らないのが、ややこしい。
政権を握るためにはアメリカの認知が要る国では
雨後の筍のように改憲派が国会に増え続けている。
民主党だって基本は改憲派だ。


議会だけ見て国民・市民を見ないともう暗いだけの時代だが。
草の根に目をやれば事態は違って見えてくる。

安保条約でも憲法でも、大きな国政の課題は運動にはなりにくい。
60年安保でも岸首相の傲慢で強引な政治が国民に危機感を増幅したからあれだけの大きな事件に発展した。
反対運動の初めのころは運動する人々は動きが鈍い国民の反応にあせっていたそうだ。

ところが、ここ数年日本の大衆運動に変化が起こっているみたいだ。
憲法の改悪にストップをかけようという草の根の運動が元気なのだ。

ノーベル文学賞受賞者である大江健三郎氏などが呼びかけた会
『9条の会』が全国にどんどん広がっている。
9条を変えないほうがいいという気持ちが広がってきているようにも見える。


『9条の会』は今年でまだ三年目、3周年を迎える『9条の会』だが、
昨年の2周年目で5000を超えた全国各地域の9条の会は
いま、6000を超えている。
全国に文字通り津々浦々に作られてきている。
すでにいわゆる「60年安保」闘争が進められた当時の
地域共闘組織の数を2000も超えてしまっている。

つまり戦後史の記録を軽々と塗り変えたわけだ。
これが意味するものは何か。
良く考えたいが、そのひとつは自由で柔らかな草の根の運動が主体となっていることにある。

呼びかけ人は有名人、知識人だが、参加者は無名の市民たちだ。
平和と人間の人権をしっかり守っていきたい思いであつまった力がこんなに大きくなってきている。相手は金も組織も権力機構ももった手ごわい相手だけれど、運動は寄せて来る潮のようにいつか彼らの足元までとどきたい。戦争する国家にならないぞという声が大きな潮流になってこの国の政治を洗い清める日がくることを夢見て、自分に出来ることをしていこうと思う。


2006年6月10日9条の会2周年 全国交流集会 その1

2006年6月10日9条の会2周年 全国交流集会 その2

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