2007年5月3日木曜日

どうして山里になんか棲むのだい?


                 
 山中問答      李白

 問余何意棲碧山

 笑而不答心自閑

 桃花流水杳然去

 別有天地非人間




 山中問答         李白

 余に問う何の意ありて碧山(へきざん)にか棲むと

 笑って答えず心自から閑なり

 桃花流水杳然として去ぬ

 別して天地の人間(じんかん)に非ざる有り


   問うものがいる、どうして草深い山中に棲むかと。

   無理もないかと答えずに笑っている、長閑な心で。

   桃の花びらが水に落ち何処へやら遠く流れていく。

   ここはそれ、世間様とはかけ離れているのさ。



 これは自分の愛唱詩だ。

 黛まどかさんから届いた「俳句でエール」には
 蓬もちの句が入っていた。

 嫁姑声の似て来し蓬餅
            渡部トヨ

  よめしゅうとめ こえのにてきし よもぎもち

                     季語/蓬餅
 田舎の嫁と姑は、農作業の共同作業で同じ経験を
 分かちあうから、いつしか女同士認め合うことになり
 次第に共通するしぐさも持つようになったりする。
 この句では、声まで似てきているのだ。
 働くものの伸びやかな声のさざめき。
 仕事上がりのお茶と蓬餅が和やかな場にある…
 田舎暮らしにも好いことはあるのだ。

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