2007年3月27日火曜日

ここいらの柿は嫁泣かせやった…と聞いた

2006.10.29 23:21









この村の柿は特徴のない柿で、
縦長でもないし平べったくもない。

ところが、とんでもない特徴がひとつある。

これが嫁泣かせといわれる理由になった。

じつは日本の柿はもともと皆渋柿だったのだ。

その中から甘柿が変異種で出現した。
神様の贈り物みたいに。

そんな事情で甘柿は接ぎ木で増やすのだそうだ。
苗木を買ってきたときすでに接ぎ木された苗だそう。

ところがである。
渋柿が渋いのは当たり前。
種が十分に成熟するまでにもがれたら、
子孫を残すのに不都合だからだ。

だから渋い実にまずなってから、
後で甘くなる。

熟れた柿の実…
(真っ赤な夕日に似た、しかし昏い赤色。、
シャーベットにすると最高の甘さ)
でもすぐじゅくじゅくになって傷みやすい。

出荷するには向かない。
それで堅いけれど甘い、
ヘンな品種が、求められたわけだ。

今の甘柿とは、近世の経済に合わせた商品の柿。
商品化品種の登場を意味している。はず。

自給自足の暮らしでは、熟れたのから食べ、
渋いのは置いておき、熟れさせて食べる。

余るほどなら渋のまま剥いて干し柿にする。
それが自然な暮らしの形なのだ。

この地の柿は自生種の柿で、
特徴はバラバラに熟す性質があること。
出荷し始めたとき、問題が発生した。
全部渋柿か、
全部甘柿かならば
出荷には好都合なのだが、
混ざっているのだ。

甘柿に渋柿がまざっている。

しかもこの甘柿は、当時としてはとても甘く、上品な味。
人気も高い。値も高く売れる。

そして、
さぁ、嫁が泣かされる番だ。

----ぼくも今では、
どれが甘柿で、どれがまだ渋柿か、
9割以上、当てられる。

9割じゃ駄目。完璧じゃなければ…
と舅、姑が言う。
出荷の篭にひとつでも渋が入っていたら、
信用なくす!

土地で育った舅や夫は簡単に見分け、
ン十年の姑はよそから来てもベテランになってる。

嫁は泣く。柿のせいで泣く。

写真はかつて若い嫁達を泣かせた、
その柿なんです。
黒い点々状に糖分が詰まった、
美味しい柿。

ぼくは今日初物として5つも食べたのでした。

柿の木に柿実る、何の不思議なけれど…

2006.10.29 21:09
柿が今年も熟れ始めた。食べ時のものもある。
柿はビタミンCが豊富な果物なのに、
この頃は若い人はあまり食べないのか、
売れ行きは伸びていないそうだ。

柿の葉を6月頃に採集して、80度くらいの温度で蒸すと、酵素が活動を止める、蒸し器から降ろして、風を当てながら十分縒りをかける感じで揉み込む、そうしてお茶に作りあげる。

これが柿の葉茶である。

ビタミンCとカテキンのたっぷり入った健康茶で、
これを毎日お茶代わりに飲めば風邪を引かないし、
アレルギーにも強くなる。
昔から柿が実る頃医者は休業というそうだ。

ぼくは電子レンジとオーブントースターを併用する方法で、
即席「製茶」で柿の葉茶を作ってすぐ飲む。
まあ、8月頃までだけれど。

住んでいるところが京都のお茶の産地なので、
近所には道ばたに雑木としてお茶が自生しているので、
採集してきては自家焙煎ならぬ自家製茶。

その日の分をその日の朝作ることが出来る。

番茶と割り切れば今だって葉を採れる。

栽培の茶の木ではないので「完全無農薬」の茶。

西式健康法では、
この柿の葉の茶を毎日飲用する。

最近たっぷりの水を摂ることをやかましく言うようになったが、
昔から水と柿の葉茶(ビタミンC)の常用を教えていたのだから、
西勝造はすごい。

ぼくらの青年時代は、

運動中は水分を摂ってはならん、

と言われていた。

が、西は人間の体の本質を見抜いていたので、

毎日1升(約2㍑)飲むべし、
飲める体質になれ

と指導していた。

ぼくもそれに学んでいるわけ。

水のことと並んで、
排泄便通のこと、
皮膚の鍛錬。

みな現代医学が今やっと解明し始めているのだから
西の直感と洞察と仮説はたいしたものだと感心する。

ぼくは西勝造の追従者ではないが、
学ぶところの多い偉人だと思う。

庭にカマキリがいっぱい居て…

2006.10.29 14:28

毎年今頃になると庭にカマキリたちが姿を見せる。

産卵の前の何かの儀式?

背戸の板のうえとか、日当たりの良いところを選び、じっとしている。

今日は南側の縁側の網戸に二匹がじっとしている。

カマキリってカメレオンのように周囲の色に合わせて体色が変わるようだ。

アップで見るとやっぱり精悍な顔をしている。こっちに気付いて小さな警戒の目を向けているな。








かまきりの顔のアップ

でもこうして集まってきて、交尾して、無事産卵がスタンバイすると、
オスは食べられてしまうんだよねぇ。オスは哀れ。

新聞受けは坂の下

2006.10.26 13:48朝刊を取りに下へ降りる。30mくらいかな。
考えてみると不便と言えば常時も不便を感じてるわけだ。

でも、此処は標高200mほどの丘の上。周りは三方を杉や檜や椚木の林で囲まれて、google earthで見るとまるで山中の一軒家みたいにみえるところだから、仕方がない。

郵便屋さんはバイクだから一気に急坂を上がってきてくれるが、宅配さんはヒトによっては上がってきてくれない。怖いと言って。
無理もない。今年は一度滑って脱輪したもの。

女性の配達人は軽い荷物は手でもって上がってくる。重いときは上がってきて「取りに降りて」と言う。で、とことこ降りて取りに行く。

郵便局が集配を止めた。遠くからの配達になりサービスの行く末が心配だ。車でコンビニまで何キロも走るなんて年寄り達には無理。バスも来なくなる予定。小泉流政治は切り捨て政治だと、田舎暮らしからはそう見える。

そんなこんなで、毎日は不便。
でもそれも季節のある暮らしと一体のものなのだ。
そこにささやかな喜びもある。

今朝は傍らの茂みに白い色が散らばっているのに気付く。
あ、お茶の花。
茶の実もはじけそうに枝になっている。

足下に三つ葉がある。摘んで帰って汁に散らして香りを楽しんだ。

気持ちに余裕をもって暮らせば不便が不便でないようにもなる。

またムササビの季節?

2006.10.25 09:59






2階の寝室の壁あたりから、ごそごそと動く音がする。

どうやら何者かが入り込んだらしい。
天井裏の動きが伝って壁から聞こえるのだな。

たぶんムササビ。
あ、今ぎゃっと言うようなにゃっと言うような声がしたぞ。
TVや電話のコードなんか囓らないでくれよ。

ハクビシンかもしれない、この間軒下をそれらしいのがスーと通っていったから。イタチにしては大きいなと思い首のところが白かったように感じたから。

此処は人里だけど獣たちもいっしょに暮らしている感じだ。
害獣も人から見ての話で害を感じなければ隣獣とでも言って良いものたちだ。

昨年秋から春にかけ猿の集団に相当荒らされた。
屋根の上でまるで運動会やってるみたいな毎日。

この村は最後は空砲をうつ装置まで設置したが、あまり効果なし。
今年も柿が実り始めたし、数日前にとうとう出現した。

でもね、かわいい小猿と母猿なのだ。

芭蕉翁ではないが、小蓑を欲しそうな小猿に哀れを感じる。

被害がないならそっとしておいてあげたい気持ち。

少し悩ましい季節が始まった。