有漏の世の花踏む素脚森は初夏
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銭湯の湯ぶねの中で東と西を溶け合わせておりました。
句中の素脚はゴータマ・シッダルタさんのです。
月朧ろ移し絵の紅薄れたる
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大川に城と男女と花通り
おおかわにしろとなんにょとはなどおり
銭造る一隅を籠め花霞
ぜにつくるいちぐうをこめはながすみ
通り抜け花と居る間の斯く哀し
とおりぬけはなといるまのかくかなし
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造幣局で生まれた私にはこの場所は
いつもおぼろな風景なのです。
遠きに在りて想う、でして。
淀川のこの辺りを昔から大川と言うようです。
通り抜けで目に入るもの全部句に入れてみようとして出来たのが一句目の句。
銭が敵(かたき)やという町で銭を造る役所の官舎で生まれた私。
銭とはつかず離れず身に付かずでした。
銭という語感はお金というのとはかなり違います。
その場所を麗しく香しい桜花が霞んで取り巻いている。
浮世の隅で銭造る者、昔の父たちへの思いから二句目の句。
1950年代初めパージされた父の病気と失意を知る私には通り抜けの桜は唯楽しいと言うものではありません。不安とひもじさもあった幼年期の記憶から三句目の句。
でも、これは遊びの句です。月並み流です(笑)
全ては大川のように流れて去ります、歌や句の中では。
現実世界では流してはいけないものがいっぱい。
オスプレイ配備の無謀。TPP。原発の危険など
絶対に流してはいけない現実です。
田は起し水張る前の月へ散る
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君が在るたんぽぽと在る空の青
たんぽぽと夕肌色のきみの頬
花曇風は流れて空の皴
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母の居る街まで野路つばくらめ
杉菜張る母に逢わざる宵十日
ひた往けど茨花咲くとおせんぼ
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花苺貴女は風に囲われて
暖かや風と寝見やる長堤
森に埋めし嘘又空へ朧月
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いにしへや春や濡れたる奈良の土
山の雨静かにさくら咲いてをり
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はなうかべ水逝く佐保に添ひ歩む
満開の桜を残し先へ行く
佐保川の桜咲いたにもう暮れて
麗らかや手に在るパズル解けぬまゝ
桜闇照りし小さきをんなごゑ
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日は遷る菜花たんぽぽ仏の座
春風と遊べおや指延べてやる
たんぽぽの座に吾も居る岡の端
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