2008年7月26日土曜日

ちょっと旅気分。 リスボンへ…


暑いと気をそらしたくなる。
エアコンはコンセントから外してあり(スイッチを無意識に入れないように)
もはら扇風機をたまに回す。体を馴らし運転しているのだ。
まだまだ暑くなりそうだし。

涼しい体験の想い出をまさぐると、
かっと暑いマドリードから到着した
リスボンの街を吹いていた風。
気持ち良かったな。
気温が低いわけじゃないが
湿った海風だったのか、
気持ちがほっとした記憶。

ひと夜だけの滞在だったが、思い出にくっきり刻まれた旅。
だらだらと皆で登って行ったアルファマの街角。
誇り高さと貧しさと希望と悔恨が入り混じったような
深い深い目の色の年配の女が歌う
FADOの哀しい調べ。
へんな味のワイン。
小さな足の小さな靴。

サラザール独裁があっけなく崩壊したのは
完璧な計画どうりのクーデタと民衆の支持だった。

戒厳の兵士の銃口にひとつひとつ娘たちが差していった赤いバラ。
それを新聞は「薔薇の革命」と名付けた。1974年のこと。




それから3年、
次々独立する旧植民地から引き揚げる無一文の入植者たちで
失業者があふれ、民主化が作り出したのは貧困かと言われ始めていた。

広場はそうした人々が持ち物を売る違法な露店でいっぱいだった。
当時西ヨーロッパ一「戦闘的」といわれた共産党が新聞を売っている横で
ぼくは「アルプスの少女ハイジ」のポルトガル語版の絵本を買った。
(家族が読んだ古 本なのだ.)

ついでにその「戦闘的な新聞」も買った。
一面には米軍はベトナムから引き上げよ(と書いてあるらしい)
と見出しが躍っている。
当時はヨーロッ パではどこでも見られたスローガンだった。
やがて最大時60万人居た米兵は一人もベトナムからいなくなった。
翌年サイゴンが解放されたのは4月30日だっ た。

日本はベトナム景気で潤い海外旅行はどんどん行きやすくなり、
ぼくでも出かけられたのであるから、皮肉なことだが。

思い出せないのが
そのとき何を食べたのか
と言うこと。ぼくらしいわい。

で、ネットでリスボンをキーに
あちらこちら覗き見していて見つけたブログ。

「りすぼんうまいもの日記」
http://lisboeta.exblog.jp/

これは<みっけもん>
住んで働いているが故の
プラス
主婦の観察眼故の
面白さがある。

何食べたのか-追跡はどこへやら
読みふける。

文章が上手い。
ウイットやユーモアも利いている。
他者への想像力もある。
開高建ばりの文体に近づいている箇所もあるな。
美味なコラムみたいに読める。

マークして時々見に行こう。
このわたし本人はいま
淡白に素麺をすすっております(笑)

リスボンの夜景、夜風、物の匂い。
流れていく記憶の情景。
その流れていく感じ
ちょっと涼感に似てるかな。
風鈴みたいな。

これもひとつの削夏法。
じぶんでそよそよ。

  

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