2013年4月24日水曜日

俳句: 素脚で森へ



有漏の世の花踏む素脚森は初夏


入浴中ポンペイの壁画の「花を摘むフローラ」に句を付けてみたいと思いました。

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銭湯の湯ぶねの中で東と西を溶け合わせておりました。



句中の素脚はゴータマ・シッダルタさんのです。

2013年4月19日金曜日

移し絵遊びの思い出





月朧ろ移し絵の紅薄れたる
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造幣局通り抜けの桜






大川に城と男女と花通り 

 おおかわにしろとなんにょとはなどおり

銭造る一隅を籠め花霞

 ぜにつくるいちぐうをこめはながすみ

通り抜け花と居る間の斯く哀し

 とおりぬけはなといるまのかくかなし

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造幣局で生まれた私にはこの場所は
いつもおぼろな風景なのです。
遠きに在りて想う、でして。

淀川のこの辺りを昔から大川と言うようです。
通り抜けで目に入るもの全部句に入れてみようとして出来たのが一句目の句。

銭が敵(かたき)やという町で銭を造る役所の官舎で生まれた私。
銭とはつかず離れず身に付かずでした。
銭という語感はお金というのとはかなり違います。
その場所を麗しく香しい桜花が霞んで取り巻いている。
浮世の隅で銭造る者、昔の父たちへの思いから二句目の句。

1950年代初めパージされた父の病気と失意を知る私には通り抜けの桜は唯楽しいと言うものではありません。不安とひもじさもあった幼年期の記憶から三句目の句。

でも、これは遊びの句です。月並み流です(笑)

全ては大川のように流れて去ります、歌や句の中では。

現実世界では流してはいけないものがいっぱい。
オスプレイ配備の無謀。TPP。原発の危険など
絶対に流してはいけない現実です。

散る桜



  田は起し水張る前の月へ散る

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たんぽぽ



君が在るたんぽぽと在る空の青

たんぽぽと夕肌色のきみの頬

花曇風は流れて空の皴


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杉菜路





 母の居る街まで野路つばくらめ

 杉菜張る母に逢わざる宵十日

 ひた往けど茨花咲くとおせんぼ
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春と遊ぶ






  花苺貴女は風に囲われて
  暖かや風と寝見やる長堤
  森に埋めし嘘又空へ朧月
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奈良の春二句




 いにしへや春や濡れたる奈良の土

 山の雨静かにさくら咲いてをり



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佐保の桜日和



はなうかべ水逝く佐保に添ひ歩む

満開の桜を残し先へ行く

佐保川の桜咲いたにもう暮れて

麗らかや手に在るパズル解けぬまゝ

桜闇照りし小さきをんなごゑ





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2013年4月7日日曜日

俳句: 蒲公英など



日は遷る菜花たんぽぽ仏の座

春風と遊べおや指延べてやる

たんぽぽの座に吾も居る岡の端


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2013年3月30日土曜日

俳句: げんげ野



児はななつげんげげんげの野の広さ


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懐かしさがこみ上げる舞台

キラパジュン(Quilapayun)とインティ・イジマニ(Inti-ilimani)が同じ舞台の上にいる。

2013年3月10日日曜日

水の春





   ふるさとを過ぎる日ありて水の春


   逝く水や天地の春を知る響き


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旅立つ春








     旅立ちや背で雷を聞き春を踏む


     春一番吹き通る部屋子は去りて

.

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2013年2月16日土曜日

俳句: にわか霰の庭で




              本もつて習へば軒をうつ霰

              石の上霰は墜ちて散り止まず

              朱き芽に中りて霰弾かるゝ

              霰死ぬ指さきで溶け笑ひとつ


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2013年2月9日土曜日

俳句: はん女忌に

二月五日は武原はんさんの忌日であり「はん女忌」であった。



  冷ゆるまゝ舞ひ踏みし床はん女の忌

  老ひが背にあらず入りにし冬木立


  小つづみの血に染まりゆく寒稽古  はん女




2013年2月7日木曜日

俳句: 雪女


  冴えし夜はまぢかき星に凭る如く

  きみを背に告げたきが有り冬銀河

  ゆきをんなひとりの夢の又さめて


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俳句: 降る雪が…


  


  ふる雪が老いしひとりのひふの上

  人皮をがばりと脱げば魂の冬

  われとなき経験の先 雪 々 々

  センに似た少女を脱ぎて冴え返る




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2013年1月12日土曜日

俳句: 鏡餅



  鏡餅 ひとの少なき里の春


  挨拶す 日の出にまろき鏡餅


  配偶といふ不思議 年又あらたなり


  らうばいの透けるやさしい黄を愛す


.


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2013年1月4日金曜日

俳句: 元・旦





元日や とほく厳しき父  ありき
  
旦の字に ゝ て照らす日や にはす ゞ め

俳句: 年の暮れ



死にそうな古さ骨がある青い空
  
細い線しづかに引けば年が暮れ


俳句: 温泉の雪





雪となる湯は流れつつ身をつつみ

降る消ゆる見ゆるがまゝに妻と酌む

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俳句: 雪の道



道に雪この世を抜けて降りしきる
≪br/>
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俳句: 聖夜


昏い夜を聖夜と呼んで燈を点す

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俳句: はてなの国



年暮る ゝ はてなの国の果て知らず

俳句: 越年・国家・雑感



国家、貴方を見てる年の暮れ

俳句: 寒夜


煙出しに風入りくる寒夜かな

俳句: 開票後雑感



かいひやうや 冰海鼠でとし暮る ゝ 


いきながら一つに冰る海鼠かな  芭蕉

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俳句: 冬の蝶



冬の蝶急がず鳴りしは鉦一打

俳句: ねぶか流るる寒さかな…





ねぶか浮く水のほど好き寒さかな