2012年10月25日木曜日

俳句: くらきうつは




























くらきうつはしづもる秋やへんろ杖 

肩越しの秋抱けばほゝにルネ 

ふりむけば湖国の秋ひかりしづかな 



たっぷりと真水を抱いてしづもれるくらき器を近江と言へり 河野裕子 


 .

2012年10月18日木曜日


短歌: ゆうぐれに 2 ← 縦書きリンク

岨みちにかけて照る日の傾きぬ荒れゆく里に秋風の色 

そばみちにかけててるひのかたぶきぬあれゆくさとにあきかぜのいろ

2012年10月14日日曜日

俳句: ルネの秋2


あの翅で海わたるのよ 庭に秋
海渡る恋よ ルネ 蝶も同じ
ルネに恋しててわたし? 渡る蝶

なお思ひそ  髪掻きあぐるルネに秋
固有時を眠れる眉根 ルネの秋
カルテシアン 図形に秋のランプの夜



2012年10月10日水曜日

更新:短歌

短歌:斧の刃 ←リンク

斧の刃にか黒く深き空映る息かけて告ぐ木は倒れたり

森昏く濡るゝを抜け来此処に座す杣人の膳酒盡きぬ夜

土間に置く斧の刃冴えて更けゆく夜揃えし靴に蟋蟀上る

2012年10月9日火曜日

俳句:秋刀魚焼く


死にたくも無い死にたさに秋刀魚焼け



俳句:秋の日々から


















駅ひとつ距てた住所思う秋 

旅は果てこの紅葉の大樹かな

葉を降らす大樹に寄りて眼鏡拭く

涸井戸にひかる小秋を見つけたり

夕闇を拾いつ行きつ母の栗