山寺喫茶(席題)
2014年11月10日 #漢詩 #席題
山寺偶感 shānsì Ǒugǎn
煮茶馨似煉金丹 zhǔ chá xīn shì liàn jīn dān
尽意尽時仙薬難 jìn yì jìn shí xiānyào nán
賓鶴入来紅葉谷 bīn hè rù lái hóngyè gǔ
主人山客與三歎 zhǔrén shān kè yǔ sān tān
平水韻 上平声第十四寒韻 押韻字:丹・難・歎
漢詩の会でカードで引き当てたのは、寒の韻で、席題は「山寺喫茶」であった。題を得て作るのは初めてだが、山中渓谷の美というと
晩秋は紅葉だと思いそれを入れると決め作った。
古寺にはどこか道観を感じさせる仙境の匂いがある。
茶を点てることと仙薬を調えることをもって方向を定めた。
茶を煮るの馨 金丹を煉るに 似たり
意を尽くし時を尽くすも 仙薬は 難し
賓鶴 入り来たる 紅葉の谷
主人 山客 與に 三歎
意とした感じは次のようなものだった。
「
茶を点てるのは まるで不老長寿の仙薬金丹を調えるのにそっくりのようだ
注意をはらいたっぷりの時間をかけて それでも「仙薬」は難しいもの
やっと点て上がった茶を戴こうとすると雲外の仙客のように白鶴が紅葉の谷に舞い入った
茶席の主人も山客たる私も鶴もそれぞれの歎声を抑える術もないひとときであった。 」
漢詩の会で「風貌が仙人じみている」みたいに言われたこともあり、
山寺の詩的ユーモアが出せたらという気持ちもあった。
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