男同士捩れたままや朴の花
をとこどちよじれたままやほおのはな
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だまし舟はゝに惑ひし遠き夏
だましぶねははにまどいしとおきなつ
だまし舟夏の夜空に消ゆる星
だましぶねなつのよぞらにきゆるほし
だまし舟昼寝の眠気未だ去らず
だましぶねひるねのねむけまださらず
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話疲れという久しぶりの体験。
50年前のことを思い出して話し続けたら少し疲れていた。
話すことで思い出してくることもあるという体験でもあった。
実用性・実際性はゼロの話の話だが、
話しながら自分が歴史に属する事実を抱えているということに気づく。
御堂筋を埋めて広がったフランス式デモ行進のことなど。
夕顔は本当はどんな植物なのだろう。
強靭さももつのだろうか。でも私には目立たない花という印象がある。
その印象は何からできたのかも分からない。
そのままを俳句にしてみた。
貴船路に咲くゆふがほの早翳
きふねじにさくゆうがおのはやかげり
ゆふがほや妹手まで細かりき
ゆうがおやいもうとてまでほそかりき
傾く日射してゆふがほ目に立ちぬ
かたぶくひさしてゆうがおめにたちぬ
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夏の空いつまで並びゆく雲か
なつのそらいつまでならびゆくくもか
つながらぬ双つの雲の夕焼けて
つながらぬふたつのくものゆうやけて
父の日をテレビで知りぬ瓜を食む
父の日に母を訪ぬる吾れである
父の日は一人何やらかやとする
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夕焼の団扇で吾を指し笑ふ
ゆうやけのうちわでわれをさしわらう
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