2013年5月5日日曜日

吹き流し




   西向きの坂に来りし老いの夏

   吹き流し夜はためくを聴いて居り

   覚悟さへ遠くにおいて夏の川



にほんブログ村 ポエムブログ 俳句へ
この句に感じればクリックをお願いします。

花の雨



鼻緒切れ接ぐ間の足や花の雨


にほんブログ村 ポエムブログ 俳句へ
この句に感じればクリックをお願いします。

余花の路



余花たづね踏みし小道の冷え加減


にほんブログ村 ポエムブログ 俳句へ
この句に感じればクリックをお願いします。

合歓の花




   ゆめに見し己が地金やねむの花

   優しかれ夢はひとつにねむの花

   ゆめひとつ見ている閑ぞねむの花

   ねむ咲ける森は過ぎたり川が見ゆ





にほんブログ村 ポエムブログ 俳句へ
この句に感じればクリックをお願いします。

2013年5月3日金曜日

一重の白い花。山吹だった。



しろひとへ山吹の花陰影の濃き
しろひとえ やまぶきのはな かげのこき


にほんブログ村 ポエムブログ 俳句へ
この句に感じればクリックをお願いします。

囀る空に


囀やつくばひの水昼の空

囀やかつて失意を知らざりき

囀=さえずる



にほんブログ村 ポエムブログ 俳句へ
この句に感じればクリックをお願いします。

黄砂降る日々




 妹の葉書に黄砂薄く載る

 春の海児の整列へ黄砂舞う

 菜の花や黄砂が度る海に釣る


にほんブログ村 ポエムブログ 俳句へ
この句に感じればクリックをお願いします。

2013年5月2日木曜日

俳句: 介護の部屋から






  花冷えや母が袂の蘭奢待

   はなびえや ははがたもとの らんじゃたい


にほんブログ村 ポエムブログ 俳句へ
この句に感じればクリックをお願いします。
蘭奢待(らんじゃたい)正倉院に残る銘香で目録には黄熟香とある沈香の一種。
蘭奢待という名は一字づつ東・大・寺の字が隠されている一種秘匿手法。

 一介の老婦が蘭奢待を炊き込めるはずもない。婉曲な暗示解くべし。

2013年5月1日水曜日

忘れ難き春



 つまねむる春ふる雨の弱き脚

 花わさび水はかゞやき又翳る

 昭和の日わが青春の捨て処

にほんブログ村 ポエムブログ 俳句へ
この句に感じればクリックをお願いします。

2013年4月24日水曜日

俳句: 素脚で森へ



有漏の世の花踏む素脚森は初夏


入浴中ポンペイの壁画の「花を摘むフローラ」に句を付けてみたいと思いました。

にほんブログ村 ポエムブログ 俳句へ
この句に感じればクリックをお願いします。


銭湯の湯ぶねの中で東と西を溶け合わせておりました。



句中の素脚はゴータマ・シッダルタさんのです。