2012年11月17日土曜日

大車輪の君







はるえみていっせんのわざあゆみきぬ 

春微笑て一旋の技歩み来ぬ 


 大車輪の得意な小柄な君であった。 

 いつも一旋回して笑顔でよぉーと
ひとなつかしい君であった。 

 女性に優しい君から粗暴なぼくは多くを学んで
若い大人になっていった。 

 居場所は遠く離れても志を共にして
ずっと一緒だったと言える君だった。 

 かつて駅で友達とともに
旅立つぼくを 送りに来てくれた君だった。 


 今君はひとり旅立っていった。
ぼくはひとり、ひとりで君を送る、
君を永遠へ。


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