2013年11月18日月曜日

戯歌慙愧心



遊 人 身 世 無 知 欽 
 
蕩 志 如 如 同 古 今
 
鏡 裏 餘 姿 似 亡 考
 
告 吾 曰 勿 失 初 心
 

 
       遊人の身世欽みを知らず
       蕩志 如如たり古今 同じゅうす
       鏡裏の餘姿は亡考に似て
       吾に告げて曰く 初心を失うこと勿れと


2013年11月14日木曜日

漢詩: 淀川逍遥

自民党に多数を許したことがどれだけ高くついているか、
眼前の事態が教えている。
TPP締結も社会保障破壊も海外で戦争する国づくりも
どんどん進めている。

野党の大部分が野党でなくなったことも大きい。

だが安倍自民党政権の矛盾も同時進行しているのが分かるから、
そこに明るい未来への展望もまた芽として存在する。

希望と楽天的想像力は行動し闘う者にだけやってくる。

柩を覆って定まる、と言う。
生きているうちに自分の評価などしないし、それを求めないことが、
志というものだろう。
身は衰えても志が衰えることはないように進んでいきたいものだ。

昨日は昼に大阪外環状線沿いにあった「なか卯」といううどん屋で昼ご飯を食べたが、
食べながら行儀悪く新書版サイズの「作詩關門」という道具書を開いて見ながら漢詩を作るメモを書いた。食後のお茶を飲みながら二十分間でひとつできた。

帰宅して夕食後、見直すと間違いもあり、意味も不明確だった。
それでも捨てがたい点もあり手直しするつもりで置いておいた。
読みかけの本を読んだり一度見た録画を再度見て記憶に残すようにしたり、知識の整理にかまけて過ごした。

朝方に目が覚めてしまったので仕方がなくで昨夜気に入らなかった漢詩をもう一度手を入れてみた。
晩秋愁嘆の詩みたいなものだったがちょっとだけ変えて、<濁世を歎く老詩人>という形にした。
実物の自分は歎くより怒っているのだが  (o^-^)

淀川を江戸時代の漢詩人は澱江とか澱河とか書いている。格好好くということだろう。平仄のこともあるのだろう。私も使ってみたかったので今回使った。
勁秋というのは風の強い秋という感じのイメージだ。
濁世は「じょくせ」と読む。
吟嘯はただ吟唱するのではなく世を歎く意味がある。
歩渉は川に沿って歩いたり渉ったりする感じだ。
勝は勝ち負けではなく比較のことばだ。


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2013年11月9日土曜日

田舎爺昔を憶う


野老懐旧時

白頭獨坐憶旧盟
難忘音容無限情
與汝相交青鳥信
再繙暗涙到天明

                   白頭 獨り坐して旧盟を憶う

                   音容忘じ難し  無限の情

                   汝と相い交わす 青鳥の信

                   再繙 暗に涙し天明に到る

2013年11月4日月曜日

家郷に過ぎる




過 家 郷
斜 陽 照 海 削 千 波  斜陽 海を輝()らして  千波を 削る
鮮 月 離 山 披 繍 羅  鮮月 山に離()いて 繍羅を 披らく
遠 影 慈 親 不 逢 去  遠影 慈親 逢わずして 去る
帰 風 未 覚 属 恩 過  帰風 未だ覚えず 恩に属して 過ぎしを

  平起式七言絶句 平水韻 下平声第五歌韻 波 羅 過




2013年11月3日日曜日

俳句: 樗の実る頃

 


後朝の事は往昔ぞ家宅を賣る

夢魔愉楽は蛩の音を知らず

栴檀の実や花の季のなほ胸中に
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2013年11月2日土曜日

半夜聞桂花香





漢詩:仄起式 七言絶句 
   平水韻 下平声第七陽韻 翔 香 涼

半夜聞桂花香

雲 外 月 明 雁 遠 翔
 

桂 花 金 樹 旧 枝 香
 
沈 腰 娥 影 夜 深 坐

 
相 對 銀 河 風 露 涼


   *沈腰: 沈約のベルトの故事から痩腰の比喩
       「しんよう」で「ちんよう」ではない。
   *娥影: 月に住む仙女嫦娥の姿 

Bàn yè wén guì huā xiāng

 Yún wài yuè míng yàn yuǎn xiáng

 Guì huā jīn shù jiù zhī xiāng

 Shěn yāo é yǐng yè shēn zuò

 Xiāng duì yín hé fēng lù liáng


 半夜に桂花の香を聞く


雲外の月明 雁 遠きに翔び

桂花 金樹 旧枝に香る

沈腰の娥影 夜 深きに坐せば

銀河に相對して 風露 涼し

  翔 xiáng 香 xiāng  凉 liáng 
 と現代の音でも韻を踏んでいるようですね。
 声調は2声と1声が混じっていますが。

*初めて「詩韻含英異同弁」を使ってみた。起句の変更に役立った。


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2013年10月31日木曜日

漢詩: 偶成 




寒々とした日差しが葉の落ちた枝にあたっている茂みの中

遠くから渡ってきて吹く風は分かれ道の上で舞う

少年の頃は何でも好き嫌いや選択ははっきりしていた

年老いて狐は埋めたり掘ったりいっこうに決まらない、迷うている



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俳句: 秋の日 天高し 鵯 南天の実 など