寝返りをうって昼寝のふっと覚め
ゆめに追ふきみの背に触れ昼寝覚む
昼寝覚む羽化する蝶に似てひとり
覚めて猶昼寝のゆめのきみを追ふ
蟇の声川音の勝る夕かな
ひきのこえかわとのまさるゆうべかな
微熱あり臥す身に暗に蟆のこゑ
びねつありふすみにあんにひきのこえ
夕月の田みづかゞやく村となり
ゆうずきのたみずかがやくむらとなり
西向きの坂に来りし老いの夏
吹き流し夜はためくを聴いて居り
覚悟さへ遠くにおいて夏の川
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鼻緒切れ接ぐ間の足や花の雨
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余花たづね踏みし小道の冷え加減
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ゆめに見し己が地金やねむの花
優しかれ夢はひとつにねむの花
ゆめひとつ見ている閑ぞねむの花
ねむ咲ける森は過ぎたり川が見ゆ
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しろひとへ山吹の花陰影の濃き
しろひとえ やまぶきのはな かげのこき
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囀やつくばひの水昼の空
囀やかつて失意を知らざりき
囀=さえずる
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妹の葉書に黄砂薄く載る
春の海児の整列へ黄砂舞う
菜の花や黄砂が度る海に釣る
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