2012年8月15日水曜日

俳句: 20120815 





かき氷 天下とるぞと云ったきみ

刃々と鳴く蝉背にし別れた日

立秋か  拭き上げたグラスが昏い

俳句: 柘榴


柘榴捥ぎふと杜子春を思いけり



2012年8月11日土曜日

俳句: 20120809 長崎



ナガサキの坂のぼり来る 雲ばかり

灼熱が知らぬわたしを灼かんとす

長崎の日がな響(とよ)もす声なき声

あらぬ光あらぬ影視よ 原爆忌

俳句: 20120808 朝昼夕





朝  ほととぎすないて いってき  ひかり おつ

昼  かげろふのみち き ははとの ひるげなり

夕  ほしでんでん だんちの なつの くれかかる

俳句:20120804 手三題



大願と手を日に曝す原爆忌

凡夫われ戦さ世にあり賜べ平和

観音の掌に烈日を返さばや






俳句 20120804-2


ながれぼし わたしのなかに わたしが ゐ

俳句:20120804 旧友




二枚目のあの朋はどこ蝉時雨

崩おれる雲見て居りし丘のうへ

短夜や所在を知らぬ朋のあり

「十八歳になったら、間違いなく僕は…」と
書いた朋友宛ての手紙の下書きが残っている

朋に寄す一文残し海の夏

2012年8月4日土曜日

ハシモトを弾き 文楽に指マルめ

 

端居しているだけのわたし



  手のひらで ほたる袷せて 見せに来て

         つ ま  すさ
  折り紙で亡妻と遊ぶや 短き夜

                  て ふ
  星月夜 はゞたき覚めし 胡蝶の夢