2013年11月4日月曜日

家郷に過ぎる




過 家 郷
斜 陽 照 海 削 千 波  斜陽 海を輝()らして  千波を 削る
鮮 月 離 山 披 繍 羅  鮮月 山に離()いて 繍羅を 披らく
遠 影 慈 親 不 逢 去  遠影 慈親 逢わずして 去る
帰 風 未 覚 属 恩 過  帰風 未だ覚えず 恩に属して 過ぎしを

  平起式七言絶句 平水韻 下平声第五歌韻 波 羅 過




2013年11月3日日曜日

俳句: 樗の実る頃

 


後朝の事は往昔ぞ家宅を賣る

夢魔愉楽は蛩の音を知らず

栴檀の実や花の季のなほ胸中に
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2013年11月2日土曜日

半夜聞桂花香





漢詩:仄起式 七言絶句 
   平水韻 下平声第七陽韻 翔 香 涼

半夜聞桂花香

雲 外 月 明 雁 遠 翔
 

桂 花 金 樹 旧 枝 香
 
沈 腰 娥 影 夜 深 坐

 
相 對 銀 河 風 露 涼


   *沈腰: 沈約のベルトの故事から痩腰の比喩
       「しんよう」で「ちんよう」ではない。
   *娥影: 月に住む仙女嫦娥の姿 

Bàn yè wén guì huā xiāng

 Yún wài yuè míng yàn yuǎn xiáng

 Guì huā jīn shù jiù zhī xiāng

 Shěn yāo é yǐng yè shēn zuò

 Xiāng duì yín hé fēng lù liáng


 半夜に桂花の香を聞く


雲外の月明 雁 遠きに翔び

桂花 金樹 旧枝に香る

沈腰の娥影 夜 深きに坐せば

銀河に相對して 風露 涼し

  翔 xiáng 香 xiāng  凉 liáng 
 と現代の音でも韻を踏んでいるようですね。
 声調は2声と1声が混じっていますが。

*初めて「詩韻含英異同弁」を使ってみた。起句の変更に役立った。


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2013年10月31日木曜日

漢詩: 偶成 




寒々とした日差しが葉の落ちた枝にあたっている茂みの中

遠くから渡ってきて吹く風は分かれ道の上で舞う

少年の頃は何でも好き嫌いや選択ははっきりしていた

年老いて狐は埋めたり掘ったりいっこうに決まらない、迷うている



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俳句: 秋の日 天高し 鵯 南天の実 など


2013年10月27日日曜日

俳句 : 鳥兜






鳥兜最後に暮るヽ村はずれ

短歌: 野菊


 道すがら 野菊の風情と云はれたる
 君を憶ひぬ ひとむら咲けり


 痛みもちて物思ふ道に しろじろと
 野菊の咲けば われきはまれり

2013年10月23日水曜日

俳句:破殻の制御さるる身雨そぼろ





メルトダウン抱えて「制御」はないよ。


小さく弱い生き物ほど影響は深刻なんだ。

我から「破殻」になって詠んでみます。

    破殻の制御さるる身雨そぼろ

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